geek な日々: ボヤ騒ぎと著作権

ボヤ騒ぎと著作権

さきほどの週末、twitter とブログが連動して炎上騒ぎがった。ネットは長いことやっているが、この「炎上」というものに立ち会ったことは一度もないので、若干の興味をもってことのなりゆきをチラチラ眺めていた。顛末を大雑把に言えば、『将棋研究系ブロガーの S氏が、twitter で活躍中の将棋研究家 Y氏が twitter 上で公開している資料を素に Y氏に無断で記事にして公開。S氏や周囲の人から批難された』というもの。
ちなみに、

・無断引用したとされる S氏のブログ記事
http://archive.is/qMHpw

・無断引用されたと主張する Y氏の twitter モーメント
http://archive.is/kpxPH

です。
この件に関しては、直接の何のかかわりもないし、論争となっている素材の質からして特に何も言うことはないのだが、これに関連して言いたいことはそれこそ山のようにあって、それはなにかというとネット上で使える資料に対する日本人の著作権・ライセンスに対する認識みたいなものだ。

以前にも書いたのだが、多くの日本人が
・著作権と特許権(のうち特に排他的独占権に該当する部分)を混同
・著作権の保護対象を勝手に拡大解釈
しているように思えるからだ。「多くの日本人が」と書いたが、ここら辺しっかり認識できている人もいて、それは実は開発系のエンジニアだったりバリ理系の研究者だったりする。まー、仕事のアウトプットが著作物だったり特許だったりするので、当然といえば当然か。

ここらへんわきまえた人たちは「公開していたモノをパクられたとかいうのはナンセンス」ということがわかっているので、おそらくこういったボヤ騒ぎになること自体がない。しかも、表現形式がメモ書き程度のもので、排他的独占権を主張するのはそっちの方が恥ずかしい、ということを経験的に学んでいるので、仮に「パクられた」としても「まあしょうがないか」と思う程度だろう。

もちろん、逆の立場になることもある。公開されているモノでも「素材は良いのに、その良さが活かしきれていない」と感じることはたびたびあり、その場合、その素材を元に適宜改変を加えて活用を図っていく。が、素材そのままを使用するというのは、動機からみてありえない。
ちょっと具体的な話をする。
将棋関連に絡めて言えば、私は、今、JavaScript で動く棋譜再生ビューアーをつくっているが、この元ネタは NHK のサイトにあった JavaScript である。
まず、これをそっくりそのまま使用するのは明らかに著作権に抵触するので、表面的には将棋盤まわりのデザインを変えた。
次に、(これが元ネタを改変しようと思った主な理由なのだが)コメント出力できるように内部ロジックの拡張を図った。元ネタのソースを読むとコメントも定義されているのだが、残念ながらこれを活用するような実装はまったくなされていなかったのだ。
さらに、「NHK が定義するデータ形式(私はこれを nkif と呼んでいる)だけでは実用上役に立たない」と考え、kif 形式をサポートすることにした。
ここまできてようやく「これなら著作権云々に抵触することはないだろう」と改変した JavaScript を使って記事を作成、ブログ上にて公開した。
一応、元ネタもわかるように記載しているが、正直なところ、これも不要だろう。機能拡張まで図ってしまえば、それはもう別のプログラムとみなしてもかまわないだろうから。
実際の開発などというのは、こういった具合に進んでいく訳で、上記のボヤ騒ぎにあったような単純すぎる図式におちこむというのは、諸々の制約を適当にさばいていくとあまりおこらないことは容易に想像がつく。
そして、(こっちの方が重要なことかもしれないので)付け加えておくと、私の JavaScript を誰かが無断で使用したとしてもおそらく私は、何のクレームもつけないだろう。それは、プログラムには著作権があるし、私は著作権を放棄したわけではないが、誰が書いても似たような表現になるプログラムが保護の対象になることはなく、なったとしても相当弱いということを私が知っているからだ。
そもそも、クライアントサイドで動く JavaScript 自体がコピーし放題、ソースも見放題な訳で、その言語を選んで公開した時点で、そうなることもある程度は織り込んでいる。

(地味に続く予定)

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